死体洗いのアルバイトについて [仕事]
大学医学部や歯学部で、学生の解剖実習用の遺体をホルマリンにつけておき、それを洗ったり、浮いてきた御遺体を棒で突っついて沈めるというようなアルバイトがあるという噂もあるが、そのような事実は無くこれも都市伝説の1つである。
実際には、「死体解剖保存法」や「医学及び歯学の教育のための献体に関する法律」などにより、解剖用遺体の取り扱いには厳しい制限が設けられている。また、遺体解剖実習に関して厳密に言うなれば、医学部生や歯学部生でさえ遺体を取り扱うことは違法であり、有資格者である解剖学の教授など専門知識を有する教員の監督管理の下でのみ許されるのである。つまり、単なるアルバイトが遺体に触れたり遺体をホルマリンプールにつけたりするなどということは違法であり、施設を含めて厳重に処罰されるので現実にはありえないのである。なお、遺体の保存については、専門の知識を有する者が大腿動脈等から保存液を注入し、一体一体別々に保存庫で保管する。また、ホルマリンに関してはホルマリン中毒の観点から使用量は厳しく制限されており(ホルマリンは揮発性が極めて高く、大量に吸い込むと死に至る)、ホルマリンプールなどはありえない。そのため解剖実習中においては、ホルマリンではなくフェノールなどを振り掛けるのが一般的である。
また、この都市伝説のバリエーションのひとつである「戦死した米兵」に関しても在日米軍のモルグ(死体置場)職員から明確に「そのような事実は存在しない」とのコメントが出されている。これについての詳細は次の文献を参照。
西丸與一『法医学教室との別れ』(朝日文庫、1995年):同書に収録の「困った噂」というエッセイで戦死した米兵の遺体の取り扱いの実態が書かれている。
多くの医科大学や大学病院には、現在でもこのアルバイトに関する問い合わせが年に数件来るという。ジョーク的なものとして、電話を取った職員が問い合わせに対し「そんなに給料が良ければ俺がしたいよ!」などと怒鳴った、という話もある。
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